秋田大学で成年年齢引き下げに関する講座を開催しました
秋田なまはげの会は1月23日、秋田大学教育文化学部と共催で、第1回シティズンップ講座「成年とは~18歳になったらどうなる~」を開催、学生と一般約150名が参加しました。
2022年4月1日、成年年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。成年年齢の引き下げによって変わることと変わらないこと、どのような影響が予想されるのかについて、将来教員となって「18歳の成年」と接する可能性がある学生をはじめ、一般の方々にも知っていただきたいと秋田大学とともに企画したものです。
会場は、秋田大学60周年記念ホール。講座に先立って、秋田大学教育文化学部の佐藤修司学部長より「主権者がどう生きていくか考える場にしたい」と講座の趣旨説明がありました。
第1講は、秋田なまはげの会副会長・西野大輔弁護士の講義。
民法改正に至る経緯の説明に続いて、「変更されるもの・されないもの」として、有効期間10年のパスポートを取得できる者、医師免許を取得できる者は、現在の20歳から18歳に引き下げられるが、喫煙が可能な年齢、国民年金の被保険者となる年齢は20歳のまま変更がないといった例が紹介されました。
続いて「成年の重み~未成年者取消権と若年者の保護について」。現在は、未成年者が親の同意を得ずに行った契約は取り消すことができます(未成年者取消権)。これまでは、契約してしまったとしても、未成年であることを証明して(証明は容易)取り消せるため、勧誘する業者にとっても無理な勧誘に対するブレーキとなり、未成年者が悪質商法の被害に遭わない大きな歯止めとなっていました。成年年齢が、社会人も多くいる現在の20歳から、高校生も含まれる18歳に引き下げられることで、消費者被害の拡大が懸念されています。
第2講は、秋田市市民相談センター消費生活相談員の小玉順子さんから10代、20代の若者の消費生活相談の事例が紹介され、続いて成年年齢引き下げに関連するクイズが行われました。「公営ギャンブル(競馬・競輪等)は18歳から可能になる。○か×か」といった解答に迷う出題もあり(正解は×)、参加者はクイズに解答しながら講義の内容を確認していました。